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シロイルカ

ナスチャの出産記録 その一

2011.07.05 - シロイルカ

シロイルカ、ナスチャのお産から、5日がたちました。

ナスチャは、まだ完全には回復しておらず、スタッフが一生懸命ケアしている毎日です。

今回のナスチャの死産は、本当に残念でしたが、経験しないと得られない知見が、そして、課題が、アクアスには、たくさん、たくさん残りました。

日本で8例目のシロイルカの繁殖例となった、そんな貴重なナスチャの出産記録を、このブログにも残しておこうと思います。

長くなりますが、お付き合いください。

今日から、日をさかのぼること20日ばかり。 

2010年10月に妊娠が確定したナスチャは、毎日元気そうに過ごしていました。

様々な計算から算出した出産予定日は、夏の終わり。

予定日まで3カ月という6月半ば、そろそろ出産の準備に取りかかろうとしていたわたしたちでしたが、、、

6月19日、ナスチャの体温が微妙に低いことに気がつきました。

そして、それ以降、ナスチャの体温はさらに下がり始めました。

シロイルカでは、妊娠中のやや高めの体温が、一気に大きく下がって、出産を迎えることが経験的に知られています。

予定日より3カ月近くも早い体温の低下に、スタッフみんな、顔を見合わせました。

その低下具合は、アーリャ・アンナの出産のときとそっくりでした。

まさか…早すぎる出産?一気に緊張が走ります。

信じたくない気持ちと、それでも準備はしておかなくてはならない現実。もし、今、出産したら……どうなる???どうしよう!!!どうしたら???

どきどき、バクバクしながら、過ごすこと数日。

ナスチャは、食欲も減退し、ますます、出産間近との疑いが高まり…

そして、6月30日午前1時57分、とうとう、「ナスチャ・破水」との緊急電話連絡が全職員へまわりました。

観察者からの電話がかかってきた瞬間の複雑な気持ちといったら、どう表現していいか分からないようなものでしたが、気がつくと、うまくいく可能性がないわけではない!と自分に言い聞かせるように何度もつぶやいていました。

頭から、エコーで見た胎仔の様子が離れません。

ナスチャ、出産の始まりでした。

と…あまりに長くなってきたので、この続き、出産中のお話は、また近いうちに書きますね。

早くナスチャの体調が回復して、みなさんに会えますように。