アリ子ちゃんの成長記録
- 2025年5月24日(土)
- シロイルカ
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- シロイルカ出産
今日は、アリ子の急成長についてのお話を詳しくさせていただきます。
前回に引き続き、文字だらけで大変読みづらいです…ごめんなさい。
実はアリ子、生後数か月のあいだは
人の上に乗ってスリスリしたり、ホースのおもちゃに乗ってサーフィンのように楽しむなど、
活発な行動がみられていましたが(Youtubeやインスタグラムを見ていただいている方にはおなじみの光景ですよね)、
いつのころからかそれがめっきりなくなってしまいました。
正直なところ、その原因はハッキリと特定できていませんが、
おもちゃをプールに入れても遊ばない日々が続きました。
遊ばないどころか、おもちゃがプカプカ近づいてくると警戒して逃げるようすも…。
このように、
「少しの刺激でパニックになってしまい、落ち着きを取り戻すまでに時間がかかる」
「新しい刺激に過度に敏感に反応してしまう」
というのが少し前までのアリ子のようすでした。
これまでは、単独で同じプールで、大きな変化なくずっと暮らしていましたが、
ここから何十年も続くアリ子の生活、ずっとそうするわけにはいきません。
他個体との同居やほかのプールでの暮らしなど、さまざまな新しいことが待っています。
それは、アリ子のQOLを向上させるために必要なことなんです。
(ちなみにQOLとは「 Quality Of Life 」の略語で、日本語訳すると「生活の質」などと表現されます。
私たちの身近なところでも近年耳にすることが多いワードだとは思いますが、
水族館や動物園でもずいぶん前から意識して、さまざまな場面で取り組まれています。)
アリ子の生活をよりよくしていくためのステップのひとつである
『ナスチャとの同居チャレンジ』を前回のブログのとおり行っていますが、
ナスチャの些細な動きに敏感に反応してしまい、
なかなか思うようにステップアップできないことがしばらく続いていました。
しかし、5月に入ってから、急激にステップアップしています!!!
毎日同居トレーニングを行っているんですが、
1か月前と今日との比較はこんな感じです↓↓↓↓
1か月前
○ナスチャと同じプールにいるだけで緊張
○ナスチャと近づける距離は2mくらいが精一杯
○同居トレーニング終了後はすぐに浅瀬(アリ子が1日の中で1番長く過ごすところ)に入る
今日
○ナスチャと同じプールでトレーニングすることは平気
○ナスチャと隣同士でも余裕
○同居トレーニング終了後もプール内を数周泳いでから浅瀬に入る

というように、劇的な変化を遂げております!!
ナスチャも、アリ子の動きをさほど気にしなくなっており、
それでもトレーニング中に時折は小言を言っているようすはありますが、
ガツンと威嚇することはなくなり、
アリ子の動きに対する許容範囲が日に日に増えてきるように感じます。
アリ子も、ナスチャに小言を言われてもほぼ気にしなくなり、
威嚇に対するうまいかわし方を学習してきているのかなと感じます。
というわけで、メキメキとステップアップしているアリ子ですが、
その理由のひとつに、私たちのチャレンジが実を結んでいるのではないかと考えています。
そのチャレンジと言うのが
『毎週土曜日のお遊びDAY』です。
普段はシロイルカ・アシカ・アザラシの飼育やパフォーマンスを行っているため
常に手厚くアリ子に接するということはなかなかできていません。
そんな中で、毎週土曜日だけは、日中にスタッフが交代でアリ子のプールに常駐して
いろいろな遊びに誘うということを続けてきました。
目的は
①さまざまな刺激を与えることで、ちょっとやそっとじゃ揺らがない強いハートをゲットしてもらう
②さまざまなおもちゃを使って、プールのいろいろな場所で自由に遊んでもらう(行動バリエーションの増加)
わかりやすくお伝えするとこんな感じです。
そのようなチャレンジもチームで根気強く続けたところ、
土曜日を境に行動バリエーションが明らかに増える ということが毎週起こってきました。
たとえば、浅瀬で長い時間を過ごしていたがプール内を広く泳ぐことが増えたり、
今まで使わなかったおもちゃで遊んだり、今までは人と遊ばなかった場所でも遊んだり。
そして、冒頭でお伝えしたように、
少し前までは
おもちゃを警戒して逃げる様子さえあったアリ子が、
数日前には、初めて見る新しいおもちゃですぐに遊び始めるまでに!!
これは本当にすごいことで、ここまでアリ子の行動を変えられたのは
飼育スタッフとしてはとっても喜ばしいことで、
毎日コツコツと続けてきたことがしっかり結果になって見えた瞬間でもありました。
このように、続ければ必ず何かしらの結果はついてくる
ということをアリ子に教わりました。
今後もさまざまなチャレンジを、海獣チームメンバー一同で取り組んでいきます。
大変読みづらい文章を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回以降は少しでも写真など入れられるよう頑張ります…!
スタッフトマト