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展示プールへの移動チャレンジ

  • 2025年10月20日(月)
  • シロイルカ
  • シロイルカ出産

アンナ子とアリ子、一般公開のために

展示プールへ移動するチャレンジが始まって今日で4日目になります。

進捗状況はと言うと…

なんと2日目から既に展示プールへのデビューができちゃっています!!

いつも応援してくださっている皆さんに、

ここまでの経緯をできるだけ詳しくごお話しますね。

 

チャレンジ初日は、1日のうち15分間だけ、

2つのプールをつなぐゲートの開放を行いました。

わずか15分だけにしたのには理由があります。

特にこれまで同じバックヤードプールで1年以上過ごしたアリ子にとって、

とても大きな環境の変化に対するストレスがどの程度かかるのか分かりません。

それを見極めるため、まずは開放して15分で再びゲートを閉めて、

いつもの状況に戻った後、いつも通り落ち着いて、いつものプールで餌を食べることができるのか

と言うことを評価するためでした。

 

私たちの想定は、初回は2頭とも展示プールを遠巻きに見るだけか、

もっと言うとアリ子は浅瀬から出てこないままかも…というイメージでした。

 

そして実際の結果は、ゲート開放後すぐに気にし始めたのは、

やはり予想通りのアンナ子。しばらくは遊泳しながら遠巻きにゲートをガン見。

しかし、割とすぐにアリ子も浅瀬から出てきてバックヤードプール内をぐるぐる泳ぎつつ、

時折ゲートの目の前まで行って展示プールを見ると言うことを何度も繰り返しました。

そしてなんとゲート前でアンナ子とわちゃわちゃしている間に

しれっとほぼ全身アリ子が展示プールへ入っていました!

しかしこの時点ではアリ子本人は入った自覚がないように見えました(笑)

こうして終えたチャレンジ初日でした。

 

そして続く2日目。

なんと!!

ゲート開放後3分でアリ子から展示プールにすんなり入ってしまいました!!!!

そしてそんなアリ子を見て、アンナ子も展示プールへと!!!!

『展示プールへの移動』を目標にしていたのだから、これで万々歳!

…と言うわけにはいきません。

①展示プールで過度にパニックになることなく過ごせているか

②元居たバックヤードプールに自分で戻ることができるか

 (心理的安全性が保たれている場所への帰り道を理解しているか)

③展示プールでも餌を食べられるか

このあたりが確認できなければまだ安心できません。

 

アンナ子は、その日の夜にはバックヤードプールに戻って摂餌ができましたが、

アリ子はその日は展示プールで止まらずにずっと遊泳を続けており、

どうやらプチパニックでバックヤードプールには戻れないようでした。

展示プールでのようすも、同じ方向にずっと泳ぎ続け、

水面に頭を出して呼吸をするのも同じ場所でだけでした。

ずっとバックヤードプールで過ごしていたアリ子にとっては、

もちろんプールの形状なども違いますが、

アクリルガラスの向こうでお客さまやスタッフが歩いたり立ち止まって見たりする

という状況も初めてだったため、それも落ち着かない原因の1つになっていたようです。

そこで夕方以降は、一旦アクリルガラスに目隠しの板を設置し、

公開を中止させていただいておりました。

 

一方で、一夜開けた3日目は、朝からアリ子もアンナ子も

バックヤードプールと展示プールを自力で行き来することができるようになっており、

バックヤードプールでの摂餌も無事に確認されました。

その後も2頭で、自由に2つのプールを行き来しながら、

各々が好きなようにおもちゃで遊んだり、プールを探索する様子が見られ、

給餌の時間になるとトレーナーのもとにやってきて餌を食べる、ということが

しっかりできていました。

そのため、3日目の昼過ぎからは目隠しの板を外して、公開の再開をしました。

 

というわけで、今後は

①展示プールでも餌を食べられるようになる

②展示プールのどの場所でも餌を食べられて落ち着いて過ごせる

③トレーナーと一緒に2つのプールを行き来する

④展示プールにいるときにゲートを閉めて、

 今まで過ごしていたバックヤードプールがない状態でも展示プールで落ち着いて過ごせる

というようなステップを少しずつ進めていきます。

 

この「展示プールへの移動チャレンジ」を始める前に、

チーム全員で共有していたトレーニング計画書がこちらです。

2頭とも経験値の少ない子獣のため、

こんなにも細かなステップでたくさんの注意事項を盛り込みました。

それが蓋を開けるとどうでしょう。なんとステップの半分ほどをわずか3日で、

しかも2頭が自分たちの好奇心だけでやり遂げてくれました。

 

こんなに入念な準備をしたのに…と拍子抜けしてしまう気持ちもありますが、

生き物たちの可能性は無限大だということを改めて思い知らされました。

また、アンナ子もアリ子もシロイルカの子獣らしい好奇心旺盛なようすを見せてくれたことが、

何よりも嬉しいです。

 

(↓展示プールでルンルンで遊ぶアンナ子)

 

今後の公開についてですが、2頭の状況によっては、

バックヤードプールに戻って遊んだりトレーニングをしていることもありますし、

展示プールに居ても姿が見えづらいこともあります。

タイミングによってはご覧いただけないこともあるかと思いますが、

ぜひ見守っていただけると嬉しいです。

 

スタッフトマト

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