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シロイルカ
アンナ出産・育児の記録 その①
2009.09.18 - シロイルカ
先月、アクアスでは2頭のシロイルカが出産しました。
1頭目のアーリャの出産時の記録は、こちら にも書きましたが、驚くほどの安産で、その後、初産の場合の平均的な時間で授乳も始まり、ぎこちないながらも育児を進めていきました。
そして、2頭目のアンナのほうはというと、9月1日、赤ちゃんが死亡したことをみなさまにご報告しましたが、出産やそれまでの育児の経過については全くお伝えできていませんでした。
アンナの出産や育児の記録は、もちろんアクアスにはたくさん残されています。
その中から抜粋して、アンナの仔が10日間、生きた証をここにもしっかり残しておきたいと思います。(あまりに長文になったので、2回か3回に分けることにしました。)
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8月22日、アンナの体温がいつもより1℃以上下がり、餌の選り好みをするようになったので、もう出産は間近と判断してアンナの24時間観察を始めました。
8月23日、いつもより落ち着きがなく、午後からは食欲も低下。
そして、14時8分、破水を確認。出産の始まりです。
すぐに休みのスタッフもすべて呼び出され、出産後の介助の最終打ち合わせをしました。
アーリャより少し体が小さいこともあってか、出産の進み具合はアーリャより遅く、スタッフも少しのんびり構えて観察をしていました。
その観察の最中に、大量の出血!わたわたとなるスタッフに「大丈夫、大丈夫。」と声をかけながらも、実は自分に言い聞かせていた(一応)獣医のvetでした。
破水から5時間半が経過したころ、ようやく尾びれが出てきました。
アンナはすでにここまででずいぶん疲れてしまった様子で、ぷかぷかと浮かびながら休むことも多く、なかなかお産は進みません。
そんなアンナを励まそうとしているのか、興味本位なのか近くに寄ってくるアーリャ親仔。
観察する側からすれば、邪魔にも思えたけれど、無事出産した前例が目の前にいてくれて精神的にとても助かったような気もします。
前回、アーリャのときには深夜だったので、駆けつけられなかった飼育以外の多くのスタッフも今回は業務が終わってから、ずっと見守ってくれていましたが、行きつ戻りつするばかりの赤ちゃんの下半身にため息が漏れるばかり。
それでも、何とか少しずつお産は進み、尾びれが出て3時間が経過した22時48分、とうとう出産、誕生したばかりのアンナ仔はすぐに初めての呼吸をしたそうです。(わたしは、またもや下からの観察だったのです。。)
出産の瞬間、アーリャとアーリャの仔がアンナを取り囲んでいて、肝心なところが見えなかった上、産まれたばかりのアンナの仔が結構大きくて、泳ぎも以外にしっかりしていたので、4頭が入り乱れる中で、どれが産まれたばかりのアンナの仔か見失いそうになることもありました。
最初は、1頭急に増えたことや出産時の出血、ものものしい雰囲気に少しパニックになった様子で4頭まとまって泳いでいましたが、徐々に落ち着きを取り戻すとアンナだけでなく、アーリャも新しく生まれた仔に寄り添って泳ぎ始め、アーリャの仔が1頭で不安そうに泳ぎ始めました。
2組の親仔が同じプールにいるということで、個体間に何らかのトラブルが起きやすいであろうということは想定していましたが、まさかのアーリャの行動にわたしたちも唖然としてしまいました。
その後、アーリャの仔が近寄ると、アンナもアーリャも揃って威嚇するという心配なシーンもありましたが、ほどなく2頭の母獣は各々の仔とともに泳ぎ始め、見守っていたスタッフ一同ほっと肩をなでおろしました。この混乱した場面は、時間的にはそんなに長くなかったのかもしれませんが、観察する側からすると、長い長い時間のように思えました。
最初はプールにまだ慣れなくて、壁にぶつかりそうになったりもしていたアンナ仔でしたが、スタッフの介助やアンナの誘導もあって、すぐに壁を認識してしっかりと泳ぐようになりました。
さて、ここまでこれば、次は育児です、、、が、、、ここまでの出産にまつわる時間が、すべてアーリャの2倍だったアンナということで、この後も順調にいったアーリャよりはかかる可能性があるなと覚悟しての観察が始まりました。
と、きりのいいところで、アンナ出産・育児の記録 その①はここまでとしたいと思います。
長文を読んでくださったみなさま、ありがとうございました。
この続きは、また来週に綴ります。
アンナとアンナ仔の記録をどうぞ最後まで読んでやってください。
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