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シロイルカ
アンナ出産・育児の記録 その②
2009.09.25 - シロイルカ
アンナとアンナ仔の記録の第二弾です。
アーリャより、倍の時間がかかったアンナの出産については、前回その①(←読んでない人は、クリック!)で書きました。
今日は、その後の育児の様子をお伝えしたいと思います。
さて、出産で疲れ切った母イルカ、アンナでしたが、出産後はすぐにアンナ仔の遊泳に合わせて、つかず離れず一定距離を保って見守るように並泳し続けていました。
アンナ仔はというと、尾びれの振りはしっかりして、壁にもぶつからずに泳いでいるものの、母をまだしっかり認識していないのか、単独で突き進むことが多く、アンナが合わせなかったら、親子で遊泳とはならないようにも見えました。
さめっこさんも書いていましたが、先に生まれたアーリャ親子は、母イルカに必死で泳いでついていく仔という一見スパルタにも見えるような育児で、、、アンナ親子とは全く違う様子でしたので、どちらかと言えば、仔にやさしいのは、アンナのような母なのかなと思って、このときは楽観していたvetでした。
でも、出産翌日になってもアンナとアンナ仔はぴったりと寄り添いません。
出産にも時間のかかったアンナのこと、育児もアーリャよりは少しは長く時間がかかるかもしれないと踏んではいましたが、2日目も授乳が全く確認されないとなると、スタッフみんな心配で心配で、かわるがわる観察ブースに覗きにきては、「まだか…」とため息を漏らしていました。
3日目、、、昨日までより、アンナとアンナ仔の距離は縮まってきていて、乳溝付近を口で触って、乳首を探している行動が見られました。「惜しい!」「もうちょっと右!」「あ…そこ!…そこなんだけどなぁ。」思わず出る観察者の独り言は、こんな言葉ばかりです。
そして、3日目も終盤となり、惜しい行動はあっても、授乳は確認できないとなると、もうわたしたちも我慢の限界でした。それに、仔の行動で気になっていたこともありました。それは、母イルカへの執着があまりないのでは?とも思える行動の頻発でした。
同じプールに20日前に生まれて、順調に育っている仔イルカがいる中、アンナ仔をつかまえて必要な処置をする、、、出産前から想定はしていたことでしたが、いざ本当にやるとなると勇気のいることです。うまくいっているアーリャ親子にも大きなストレスを与えることにもなるのですから。
でも、このままアンナ親子をただ観察しているだけでは、もううまくはいかないと判断したので、処置をしないわけにはいきません。
綿密な打ち合わせの後、スタッフ20人がかりで、なるべくアーリャ親子に負担にならないように素早くアンナ仔だけを取り上げて、迅速に経口用の補液を飲ませる処置を行いました。もちろん、アクアスではシロイルカの出産自体が初めてだったのですから、シロイルカの仔の取り上げや処置もみんな初めてです。
この処置はなんとか無事に終わりましたが、いくら手早く行っても、やはりアーリャ親子・アンナ親子ともに少し混乱させてしまいました。必要なこととは言え、心が痛みます。
混乱がようやくおさまり、夜があけて4日目、
7時54分 アンナ仔
奇跡の初授乳確認!
スタッフみんなで観察者の撮影した授乳シーンのビデオを確認し、確実に授乳しているだろうと判定しました。
このあと、4日目は少ないながらも30回以上の授乳が確認され、このまま授乳時間も延びてくれれば!と期待で胸がいっぱいになりました。
アーリャ親子とアンナ親子、授乳のタイミングがちょうどうまくあって、2組同時の授乳シーンを見たときには目頭が熱くなったvetでした。
これから、順調に2組の親子が暮らしていく姿を想像していました。
まさか10日目にアンナ仔の命が消えてしまうなんて思いもせずに。
それでは、今回はここまでにします。
次回、アンナの出産・育児の記録 その③(最終回) でシロイルカ出産準備のカテゴリーを終わりたいと思います。
あれから2か月 ~アシカのニコは2歳に~
臨時休館中のアクアス
アシカアザラシパフォーマンス復帰まで…
お久しぶりです
ありがとう☆8000日
おかえり